よくストレスを受けると、胃酸が過多になり、胃壁が破壊されて
胃炎 や 胃潰瘍 になる!
と言われていますよね。
たしかにストレスを受けると胃のシステムは崩れやすいとも言えます。
胃液の分泌や胃の運動は、自律神経 に深く関係していて、その人の精神状態によって大きく左右されます。
たとえば、怒りや悲しみ、心配、ストレスなどがあるときは、胃液の分泌量が極端に減少します。
すると消化機能が落ち、内容物が通常より長時間にわたって胃の中に停滞し、「胃がもたれる」ということになるのです。また胃を保護する粘膜の分泌が減ることもあるので、塩酸によって胃が傷つくことも想像できますね。
ではよく言われている胃酸過多になるというのは本当なのでしょうか?
ストレスがかかった時の身体のシステムとは!?
では、まず、ストレスがかかったときの身体のシステムをじっくりみていきましょう。
不安感
騒がしい!
暑い!
忙しい!
人間関係
経済状態
・・・
まず上記のような「ストレス」がかかると脳からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌され、
① 自律神経 を働かせて、ストレスに対する防御反応をしなければならないかを判断し、
② ホルモン によりストレスによってできた歪みを修復する作業に入ります。
①では例えば、バイクが急に飛び出してきたとすると、自律神経(交感神経)が高ぶり、血流を上げて手や足をすばやく動かせるようにすることや、鳥肌を立てて大切なエネルギーを外に出さないようにします。
これは、先程の アドレナリン や ノルアドレナリン という神経伝達物質が、視床下部という脳の総司令部に働きかけ、自律神経でも交感神経優位の状態を作り上げることに始まります。(心拍数増加、血圧上昇、脳血流増大、瞳孔散大、呼吸促進、血糖上昇など)。
そして次に②では、総司令部の「視床下部」から、司令官である「脳下垂体」に命令が出ます。脳下垂体では、各臓器に指令を送るホルモン「刺激ホルモン」が分泌されるのですね。
この「刺激ホルモン」。ストレスの場合は、とくに副腎刺激ホルモンが分泌されます。 これはその名の通り、副腎を刺激するホルモンなのですが、ストレス時には、副腎がストレスによる身体の歪みを修復するために働くことになります。
自分の身を削ってエネルギーを作ることも・・・
ストレスによる歪みを修復するにはエネルギーが必要になりますが、この時、身体は体脂肪を使わない仕組みになっています。これは身体の危機管理とも言えるのですが、ストレス時はどちらかというと体脂肪を貯め込もうとするのですね。
ではどこからエネルギーをとるかというと、ブドウ糖 や たんぱく質 がメインになってきます。 そして問題となってくるのはこれらのエネルギー(ブドウ糖やたんぱく質)が不足してきた時です。 エネルギーが不足してくると、副腎はたんぱく質を身体の中から調達してくることになります。 実は、これには、身体を作っている体たんぱくを使うのです。
びっくりするかもしれませんが、自分の身を削ってエネルギーを作り出す ということですね。
体たんぱくの調達には、まず「胸腺」という臓器に向かいます。胸腺は小さい臓器なのですが、この小さい臓器から体たんぱくを削り取ります。 胸腺は、免疫機能には大切な働きをする臓器でもあるので、ストレスがかかったときに免疫力が落ちるというのは、実は、胸腺が弱ってしまうということにも原因があったのです。
そして胸腺は小さい臓器なので、体たんぱく質が足りなくなると、次に向かうところは「胃」になります。 胃での体たんぱく調達は、胃壁の一番表面の上皮細胞を削り取って行うので、胃は粘液でコーティングできなくなり、胃壁が胃酸によって溶かされることになります。
これが、ストレスによって胃炎が起きたり、胃潰瘍が起きる仕組みなのです。 実際は、単純に胃酸が増えるからというわけでもないのですね。
次回は「ストレスで胃酸過多になるのか!?」という疑問についてお話したいと思います^^。
小菅 一憲
カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック