前回はストレスがかかった時に起こる胃痛や胃潰瘍などの原因、そして身体の仕組みについてお話しました。
ここでは、ストレス時の胃の痛みは決して胃酸のせいではなく、ストレス時に必要な栄養源である
タンパク質 を胃壁から調達してくることで、胃酸から身を守る粘液を出せなくなり、それが原因で胃酸によって胃の内壁の細胞が障害を受けてしまうということでした。
今日は、みなさんも気になる内容だと思いますが「ストレスで果たして胃酸過多になるのか?」というお話をしたいと思います。
ストレスでは胃酸過多になるのか!?
たしかにストレス過剰になっていると、胃酸が多くなる人もいます。
これはストレスが胃酸を多くするということではなく、どちらかというとストレスがかかった時の
自律神経のバランス によるところと言えそうです。
通常、胃が胃酸を分泌するのは、消化 の時。
消化の際は、自律神経は副交感神経優位になっています。副交感神経優位になると胃酸が出るのですね。
そう考えると、ストレスがかかったときは前述のように、まず交感神経が優位になり、ストレスに対する防御反応が始まります。 そしてもし胃酸が過剰になるとすると、この後。 ストレスがおさまり、この高ぶりすぎた交感神経を抑えるために、一挙に副交感神経が働きます。 この時に胃酸が多く出るのです。
なんとなく、仕組みはわかりますでしょうか?
では、長期的にストレスがかかっている人はどうでしょう?
その場合、ずっと交感神経が高ぶった状態になるので、逆に 胃酸は低下 していく傾向にあります。 これはカイロプラクティックでも言われていることです。 その証拠に、私の臨床でもストレスで長期的に 副腎 に負担がかかっている人には、多くの人で胃酸分泌低下の徴候がみられます。
また胃酸は、脳内のガストリンやヒスタミン、アセチルコリン等に刺激されて分泌されるので、ストレスによってそれら脳内物質が過剰に分泌され、一時的に胃酸が増えることはありますが、もし長期にストレスがかかった場合は、耐性ができてしまい、それらの物質に刺激されても胃酸が出ずに、減っていく場合も考えられるでしょう。
このようにみていくと、ストレスで胃が痛い場合は、まずは自分の胃酸の状況がどういう状態なのかを判断し、そこから対処するべきでしょう。 すぐに胃酸を抑えるような制酸剤を飲むことで、一時的に症状を軽減したからと言って根本的な解決にはなりません。
ストレスは現代社会ではつきものです。
ストレスコントロールをすることで、かなりの身体の問題も改善されてくることは間違いありません。 是非、胃が痛くなったら、警告のサインだと思って、普段の生活やストレスのかかり具合を見直すキッカケにして頂ければと思います。
最後に私が考える ストレス対策のポイント をお伝えしましょう^^。
1.ストレスコントロール 2.考え方を変える 3.気分転換をする 4.リラクゼーションの習慣をつける 5.睡眠をしっかりとる 6.軽い運動をする 7.副腎を刺激するものを避ける 8.正しい食事をする
【正しい食事について】 3大栄養素をその人に合ったバランスで摂る 副腎に良い食べ物を摂り、悪い食べ物を摂らない 血糖値を安定させる食べ方をする 必要な塩分は摂る アレルギ−のある食品は避ける
小菅 一憲
カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック