みなさん、こんにちは。
院長です。
最近、臨床に出ていて思うことは・・・
本当に
甲状腺が機能低下 している人が多いということ。
「甲状腺」というと、名前は知っているけれど、詳しくは知らない方が多いかもしれません。
甲状腺は、簡単に言うと・・・身体のエネルギー代謝 と 体温調節 をしてくれているところ。
なので、甲状腺が機能低下すると、一般的には疲れを感じやすかったり、冷えを感じることが多くなります。症状自体は、一瞬それが甲状腺の機能低下により起きている症状だとはわからないものも多いので、実は甲状腺が機能低下しているのに、気づいていない人もたくさんいるんです!
甲状腺の機能低下に伴う症状には・・・
体重増加
便秘症
もろい爪
つやのない毛髪
薄毛
不規則な月経
浮腫
不安
パニック障害
焦燥感
抑うつ症状
記憶力の低下
徐脈
手足が冷える
性欲の低下
不眠
疲労
低体温
アレルギー
・・・
などがあります。
これ、見ていくと副腎疲労の症状ともよく似ている!!
と思いませんか?
それもそう。副腎疲労と甲状腺機能低下 は、セットで起こっていることも多いんですね〜。
甲状腺の病気には、甲状腺機能亢進症(バセドウ病と言います)と甲状腺機能低下症(橋本病と言います)があります。
これは血液検査で、甲状腺を刺激するホルモンと甲状腺ホルモンの数値を見て、その数値が正常範囲内を逸脱していると病気と診断されるわけです。
たとえば、甲状腺機能低下症(橋本病)と診断されれば、甲状腺ホルモンのお薬が処方されることになります。
しかし、実際には「病気とは診断されないが、機能低下をしている人」・・・いわゆる 隠れ甲状腺機能低下 とでも言いましょうか、そういう人がとても多い!
要は、ホルモンの数値自体は正常範囲内であっても、何かしらの体調不良を持っていて、甲状腺に対する治療のアプローチをすると明らかに改善する人がいるということ。
私たち、アプライドキネシオロジーを行うドクターは、こういう病気ではないが、病気の手前の人たちを見つけることが出来るので、身体を見るとすぐにわかるのですが、最近アメリカでは、そういった病気ではないが内臓を機能の面から見て判断するような機能性医学「ファンクショナルメディスン」というような分野も進んでいるようです。
この機能性医学の血液検査の見方があって、これで見るといかに甲状腺機能低下の人が多いか。
病院では異常がないと言われていても、症状は持っていて、実は機能低下の状態の人たち。
本当に多いです。
そういった点でも副腎疲労ととても似ている・・・。
気になる人は、来院時に聞いてください^^。
さて、この「甲状腺機能低下」なんですが、私がこうやって日々臨床に向かっているとここ最近
本当に増えているんです。ちょっとビックリするぐらい。
この冬はまた特に甲状腺機能が低下していて、胃腸の調子が悪い方が多いですねー。
甲状腺はエネルギー代謝に関わっているので、甲状腺が機能低下すると胃腸の蠕動運動が低下して、自然と胃酸の分泌が落ち、消化力も低下してしまうのです。
機能低下の原因なんですが・・・
もちろん、甲状腺自体が機能低下をしていて、症状を起こしている場合も多いですが、甲状腺ホルモンにはT3とT4という種類があって、T4からT3への変換がとても重要なんですが、この変換がうまくいかない人がいます。これは厳密に言うと低T3症候群とも言い、本当はT4を活性型T3に変換することで、甲状腺ホルモンの作用が働くのに、何かしらの原因で無活性のリバースT3に変換されてしまうものです。この場合、甲状腺ホルモンのT4や甲状腺を刺激するTSHは正常なのに、T3のみ低下している状態が見られます。
こういう方もとても多いです。
どちらにしても、甲状腺機能低下の症状が出るので、ここではひっくるめてお話してしまいますが・・・
この変換を阻害するものとしては・・・
ストレス
トラウマ
低カロリーダイエット
炎症
有毒物質(重金属や化学物質など)
感染症
特定の薬物
肝臓や腎臓の機能障害
などがあります。
現実に、このようなT4からT3への変換がうまくいかない原因を持っている方は、多くいらっしゃいます。
ストレスによる副腎疲労によっても、身体は自分を休ませようとリバースT3へ変換する量を増やしてしまいますし、現代人の多くが影響を受けている有害物質や化学物質など毒物の影響も否めません。
さらに、極端なダイエットや最近流行りの糖質制限も急激にやりすぎると、身体が危機状態だと判断し、活性型T3への変換を減らしてしまいます。
これらは、要は身体を休ませなければならないような状況が起こった時に、人体が自分の代謝を低下させ、エネルギーの消費を抑えるための生体反応だということですね〜。
こういった低T3症候群以外に甲状腺の機能低下をさせる要因では、メチレーションと呼ばれる代謝が停滞している方も多いですね。これは副腎疲労にも深く関連します。
私たちの身体では メチレーション と言われる代謝の仕組みがあって、その中でも葉酸やメチオニン(アミノ酸)の代謝がうまく行っていない人(遺伝的要素もあり)も、甲状腺の機能低下が起こりやすくなります。
この代謝のための酵素が足りない、働かない人がいるんです。
メチレーションについてはまたどこかの機会で詳しく^^。
その他、甲状腺機能低下の原因としては小麦のグルテンもあるかな。
当院でも、重金属 のデトックスをしたら、甲状腺が回復し、胃腸の調子が良くなってきた方もいらっしゃいますし、遺伝的な要素を持つ方には 適切な葉酸 folate を摂ってもらうことで、甲状腺機能低下がなくなった方もいます。また 小麦のグルテン にアレルギーもしくは不耐症を持っている人は、グルテンを摂取していると甲状腺の亢進状態が起こって、その後機能低下に進んでいくので、食事コントロールによって回復を促したケースもあります。
私が、甲状腺の機能低下の方が増えていると感じている背景に、一瞬放射能の影響も考えたのですが、そこまでの被曝量の人がいるのかどうか憶測の域を出ないので、やはり日常生活の中での重金属や化学物質などの有害物質からの影響がとても増えているのかもしれません・・・また副腎疲労同様、ストレスや身体の中での炎症がなかなか抑えられない方が多いのかもしれません。
確かに甲状腺は、水銀や鉛、カドミウムなどの重金属、PCB、BPAなどの化学物質、不燃材の影響を強く受けますからね〜。
何はともあれ、とても危惧しています。
余談ですが・・・甲状腺機能低下があると、妊娠率がとても下がるんです。
甲状腺の機能が低下すると脳の中で、視床下部(センサー部)からTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが分泌され、下垂体(ホルモンの司令部)を刺激をして甲状腺刺激ホルモンを分泌させます。
そして実は、このTRHというホルモンはプロラクチンの分泌も促します。
ご存知の方もいると思いますが、このプロラクチンは産後に母乳を出すようにするホルモンです。
要はこの時身体は、産後と似たような状態になるわけです。
プロラクチンは卵胞の発育を抑えてしまう働きがあり、これによって卵胞が発育しないと排卵も起こりません。
これが甲状腺機能低下による 高プロラクチン血症 と 不妊 の関係です。
私は、ママミーツベビという新しい不妊治療の事業も運営しているので、他人事ではありません・・・。
確かに赤ちゃんを望んでいる方の中でも「甲状腺機能低下」の人が多い印象がありますね〜。
今後も「甲状腺」の行方。
しっかり見守っていきたいと思います!
またこちらでも気になることがあれば、載せていきますね^^。
皆さんも注目しておいてください「甲状腺」。
小菅 一憲
カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック