現在日本のコレステロール基準値は、コレステロールの上限を220mg/dlとしています。 アメリカでは上限は240。日本のお医者さんは240以上でお薬を出す体制になっています。 しかしこの上限値では、日本人の成人5人に1名は高コレステロール血症になってしまうと言われています。 ちょっとビックリではないですか?

コレステロールが低い人の方が寿命が短い!?

実は、コレステロールと死亡率の関係を見てみると、日本人ではコレステロール240~280の間が一番総死亡率や発ガンリスクが低く、最も長生きするという統計があります。

また、アメリカボストン大学では、総コレステロール値が200mg/dl以上の人はそれ以外の人に比べ集中力、記憶力が優れているという発表もしているのです。

日本のアンチエイジング学会でも、コレステロールは高すぎるより低い方が心配とされており、コレステロールの低い男性の方が寿命が短く、40代でうつ病になりやすい、ガンにもなりやすいとも言われています。

どうして5人に1名が異常になり、長生きできる数値を治療対象にしているのでしょうか。

日本人の総コレステロール値は、現在の基準より高い数値よりも、むしろ基準値や基準値より低い値のほうが死亡率が高くなっているのですから。 本当に疑問でなりません。

そもそも日本では、2001年までは総コレステロール値の基準値は240と定められていました。

ところが2002年7月、日本動脈硬化学会は正常値のラインを220に下げることを決定しました。その結果、なんとかなりの人が異常と診断されることになってしまったのです。 私の受けていたサプリメント指導士の先生方も低すぎる設定だと言う人がほとんど。数値にそれなりの根拠はあるらしいのですが、それが日本人に当てはまる根拠ではないのです。

基準値の問題は、ひとつには男女差や年齢差が考慮されていないということでしょう。

特に、女性の場合、更年期を迎えると新たにホルモンを作るため、コレステロールが高くなる傾向があります。それを無理に下げてしまうとかえって病気になります。

実際、海外では女性にコレステロール低下剤は不要というのが常識です。

そしてアメリカではコレステロール低下剤は270が使用開始の基準となっていて、利用者も中高年女性全体の5%にとどまっています。

なにせ、コレステロールを低下させる薬の副作用が怖いのですよ。 これはみなさん知っておいた方が良いかもしれません。

コレステロール低下薬の副作用について製薬会社が作成している文章には・・・

メバロチン、リポバス、ローコール、リピトールは、血液中のコレステロールを減らすお薬です。このお薬は、筋肉の副作用としてごくまれに「横紋筋融解症」が起こることが知られています。次のような症状がみられましたら横紋筋融解症の可能性がありますので直ちに服用をやめて、すぐに主治医の先生または薬剤師の先生にご相談ください。

筋肉が痛い 手足の力が入らない 尿の色が濃い(赤褐色になる)

横紋筋融解症とは:筋肉が障害され、筋肉痛や脱力などの症状があらわれ、筋の成分(ミオグロビン)が血液中に流れ出る病気です。赤褐色の尿がみられることがあり、放っておくと腎不全(腎臓の機能が低下し尿が出にくくなる)になることもあります。

とあり、現在、腎不全で死ぬ人も出てきて問題になっているというから大変ですね。

確かにこれらの薬を飲み続ければ、コレステロール値は下がります。

しかし、動脈硬化などの原因となっているのは、血管壁にへばりついた酸化した一部のコレステロールだけです。正常に機能しているそれ以外の多くのコレステロールは、細胞やホルモンの材料として必要不可欠なもの。だから全てのコレステロールを下げようとするととんでもない副作用が起こるのは当然ですね。

しかし、こうも低すぎる基準値では、薬を飲まされることによって体調を崩す人もたくさん増えるということで・・・こうなっては、日本では自分の身は自分で守らなければなりませんよね。

私から言えば、高コレステロールは食事で改善すべきです。

さて、ごく最近の研究では脳神経細胞膜内のコレステロール量が増加すると、アルツハイマー病になるリスクが高まるとの発表もあったので、それも少し話しておきましょう。

これは過剰なコレステロールがあると、細胞膜のアミロイド蛋白が変性してアミロイドβ蛋白が蓄積してしまいアルツハイマーにつながってしまうとのことらしいのですが。アルツハイマーの特徴は脳の委縮です。アミロイドβ蛋白が増えると、急速に脳を硬化してしまうそう。

この研究は、コレステロールが過剰にあり過ぎても良くないと言う話・・・。

たしかに以前から、アルツハイマー病の患者さんの脳の病変部から、酸化し異常に固まったコレステロールが大量に発見されていたりします。これらは抗酸化物質が少なくなっていることや代謝異常が起きているからだと思いますが、いずれにしろ酸化してしまった脂質は良くないですね。

私が思うに、脳の神経細胞内においてコレステロールは重要な役割を果たしているのは間違いないのですが、コレステロールが少なくなりすぎても脳の神経伝達に支障をきたし、脳の病気につながるということ、そして過剰になりすぎても細胞膜のアミロイドβ蛋白が蓄積してしまいアルツハイマーにつながってしまうとのことなのだと思います。

アルツハイマーやパーキンソン病の人は、必須脂肪酸とコレステロールをうまくコントロールしていくとかなり改善してくるといいます。 脂質のテーマの最初にお話しましたが、必須脂肪酸とコレステロールの状態は本当に大事ですね^^。

総コレステロールが高い!善玉と悪玉のバランスが悪い方へのアドバイス

では最後に、総コレステロールが高過ぎて、HDLとLDLのバランスが悪い方へのアドバイスです。 コレステロール量というのは、食事でかなり改善が可能です。 今気になっている人は次の点を注意してみてくださいね。

1.細胞膜や必須脂肪酸に悪影響を及ぼす「トランス脂肪酸」を摂らない。 2.善玉を減らし、悪玉を増やしてしまう「リノール酸」摂取を減らす。 3.料理に使用する油は質の良いオリーブオイル又はバターなどに。そしてオメガ3の油を積極的に摂取する。 4.卵やお肉は普通に食べる。 5.食物繊維をしっかり摂る(腸からのコレステロール再吸収を防いで排出) (他には※植物ステロールやサポニンなど)

この5点を行ってみるとかなり改善してくる人が多いです。 一見おやっと思うものもあるかもしれませんが、試してみてください^^。

※植物ステロール 植物ステロール(phytosterol)は、植物に含まれる種々のステロールの総称で、豆類、穀類に多く含まれる植物性天然成分です。主な成分は、シトステロール、ステイグマステロール、カンぺステロール、ブラシカステロールなど。植物ステロールはこれらの混合物です。コレステロールの吸収を阻害することが古くから知られています。 その作用機序は明らかにされているわけではありませんが、1つには、植物ステロールがコレステロールと比較すると極めて低い吸収率であり、(コレステロールが50%前後であるのに対して5%前後)、そのほとんどが糞便中に排泄されることがあげられます。この作用により、植物ステロールとコレステロールの両者が小腸内に存在した場合、小腸に吸収されやすいコレステロールを植物ステロールが体外に運び出してくれるというもの。実際、植物ステロールを実験動物や人間に与えると糞便中のコレステロール量が増加することからも確認されています。また植物ステロールによるコレステロール低下作用の大きな利点は、LDL、いわゆる悪玉コレステロールを低下させる一方で、HDL(善玉コレステロール)を増加させることにあります。また血清中性脂肪のレベル、過酸化脂質の低下も確認されています。

植物ステロールを含む食品:ピーナッツ、ゴマ、大豆、サヤインゲン、ピーマン、ニンジン、ホウレン草、枝豆、キュウリ、ダイコン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、ナシ、モモ、リンゴ、ミカンなど。

今回のお話で、コレステロールへの誤解が解け、コレステロールの大切さ、何が悪さをする原因なのかということがわかって頂けたら幸いです。

小菅 一憲

カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック

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