前回は、1日のリズムに「朝の光を浴びること」が大事だというお話をしてきました。 実は、それにプラスして同じぐらい「朝食を食べること」も重要なポイントになります。

今回はそんなお話を^^。

時計遺伝子とは?

1日を 約25時間 のリズムで刻む体内時計。

その司令塔的な役割を果たしているのが、脳 の視交叉上核にある「体内時計」です。この時計は「時計細胞」から出来ています。時計細胞には6種類の「時計遺伝子」があり、これらが働くことによって体内時計のリズムが刻まれます。

この脳の体内時計の存在は、ずいぶん前からわかっていましたが、最近はさらに体中の細胞のほとんどにも同じように「時計遺伝子」があることがわかってきました。心臓や血管、内臓、皮膚にもそれぞれに「時計遺伝子」があり、時計を持っていたのです。

そして、脳の体内時計を「親時計(主時計遺伝子)」と体の細胞が持っている時計を「子時計(末梢時計遺伝子)」とすると、親時計と子時計はつねに連絡をとりあい、体中を体内時計に合わせて動かすように働いています。

例えば、朝に親時計が活動的なリズムを刻み始めると、そのリズムは子時計に伝わり、血圧を上げるなど体が活動的になるように働きます。こうして司令塔の親時計と実行部隊の子時計がチームを組み、バツグンのチームワークで身体全体をひとつのリズムに整えていくのです。

ちなみに、親時計(主時計遺伝子)は、朝の光で位相(時計の針の位置)を修正して、1日25時間の概日リズムを1日24時間の日周リズムに変えますが、子時計(末梢時計遺伝子)は朝食などの摂食活動で位相を合わせています。

朝食のすすめ

日本では今、朝食を食べない人が増えています。「国民健康・栄養調査」によると、朝食の欠食率は平成10年以降6年連続で増加しています。こうした傾向は、気付かぬ間に日本人の健康に悪影響を与えているのです。 あなたや家族の健康トラブルも、朝食抜きの生活が原因ではありませんか?

子時計(末梢時計遺伝子)の位相は、朝食で決まります。

一定の時間に食餌を与え続けると、食餌を与えなくても、その時間に活動が活発になるという予知行動を起こすので、このリズムを「給餌性リズム」といいます。特に栄養バランスのとれた朝食(タンパク質が重要)が有効です。親時計と子時計が同じ周期で働くことを同調といいますが、朝食をとらないと同調がうまくいかず、いろいろな障害が生じます。

親時計と子時計の他にも同じような働きをするものがあります。そのひとつが「腹時計」です。腹時計は、脳の中の親時計がある「視交叉上核」近くにある「視床下部背内側核」という部分にあります。

この腹時計も朝食によって時計をリセットしていますが、海外旅行などで時差ぼけがある場合、お腹が空いた時に食べるのではなく、現地の食事時間に合わせて食事をすると、それが時計遺伝子をリセットし、現地時間に早く適応することが出来るのは、こういった腹時計が関わっているのです。

1日の身体のリズムを作るには、朝の光を浴びることによって「親時計をリセットする」だけでなく、朝ご飯を食べることで「腹時計・子時計をリセットする」 ことが大事なのです。

もしも朝食を食べないと・・・

1.エネルギー代謝が低下 2.糖新生反応によって筋肉が減少 3.朝食欠食後に食欲亢進(肥満) 4.脳の活動が低下 5.学業の成績が低下 6.運動能力や体力が低下 7.体温の上昇がなくなる

怖いですね・・・。

みなさんバランスの良い朝食を心掛けましょう!

小菅 一憲

カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック

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